公益財団法人西枝財団が実施しております「瑞雲庵における若手創造者支援事業」にご応募いただき、誠にありがとうございました。厳正なる選考の結果、下記の2事業の採択をいたしましたことをご報告いたします。尚、選考の内容について個別のお問い合わせにはお答えできかねますのでご承知おきください。今後とも公益財団法人 西枝財団の活動にご理解ご支援賜りますようよろしくお願い申し上げます。
春季
劉李杰『日常と空想』
アーティスト:広瀬菜々&永谷一馬、雲永業、大江慶之、小松千倫
【選考理由】
本企画「日常と空想」は、応募のあった企画の中でも委員全員からの評価が高く、全体を通して優れた提案とされた。展示の舞台である瑞雲庵との関係性が深く考察されており、空間と企画テーマが有機的に結びついている点も高く評価された。また、出展作家の構成や作品の選定も緻密に行われており、文化的分脈や国際的な視点を内包する内容となっている。展示内容そのものの完成度が高く、展覧会への期待が大きい。キュレーターがギャラリーに所属していることもあり、スケジュール管理や作家との調整など運営体制も期待でき、実現性の高さについても問題なしと判断された。構成・内容・実行計画のいずれにおいても、助成対象として非常に相応しい企画である。
秋季
Yukawa-Nakayasu『建築を彫刻にして、彫刻を建築にする』(仮)
アーティスト:松延総司、中村竜治
【選考理由】
本企画「建築を彫刻にして、彫刻を建築にする」(仮)は、建築家とアーティストの協働により、瑞雲庵の空間を活かしながら、日本建築に内在する抽象性や身体性を再考する意欲的な提案である。空間と身体の相互作用を主題とした構成は独自性があり、風土や感性に根差した思考を促す展示として、実施への期待が寄せられた。企画者はアーティスト・キュレーターとしての経験も豊富で、資料も整理されており、企画進行やクオリティの面でも信頼感がある。一方で、やや作家主導の印象がある点や、瑞雲庵という制約の多い空間での実現方法については検討の余地も残されていたが、視点の新しさと空間活用の可能性に惹かれる企画として、採択に相応しいと判断された。
選考委員
京都精華大学 副学長
吉岡恵美子氏
京都市立芸術大学 教授
加須屋 明子氏
ACTUAL Inc. 代表
辻 勇樹氏
公益財団法人 西枝財団 事務局長
西枝 康一