マルセル・プルースト(1871-1922フランスの小説家)の『失われた時を求めて』では、記憶と空想、そして日常生活の繊細な交差点に位置しています。プルーストは、時間を遡ることで過去を再発見し、その記憶がどのように現在の私たちの感情や思考に影響を与えるのかを深く掘り下げました。現代社会においても、このテーマは非常に共感を呼びます。現代の私たちは、スマートフォン、写真、ソーシャルメディアを通じて日々の出来事や思い出に触れ、記憶を意識的に、または無意識的に再構築しています。このように、テクノロジーの進化が私たちの日常生活と過去との関係を新たに形作る一方で、それはまさに空想的な再構築の一例と言えるでしょう。記憶の再構築や日常の中に美しさや意味を見出すことは、現代を生きる私たちにとっても依然として重要なテーマです。
本展「日常と空想」では、古いものと新しいものが溶け合う瑞雲庵の空間を舞台に、異なる表現領域で活動する4名のアーティスト広瀬菜々&永谷一馬、雲永業、大江慶之、小松千倫の作品を通じて、日常的な瞬間が空想的な世界とどのように交差するかを探ります。過去と現在、現実と空想が一体となって浮かび上がる展示を通して、鑑賞者自身の記憶や想像力が呼び起こされる体験を目指します。

1989年中国浙江寧波市生まれ、大阪在住。2020年京都精華大学大学院芸術研究科博士後期課程単位取得退学。2023年TEZUKAYAMAGALLERY入社。
空間にあらゆる日常の物事に潜む記号、思い出、感情を素材として表し、自身や他者の体験や記憶、又は空間そのものがもつ記憶をベースに、版画、映像や、音・空間を用いた作品を制作している。キュレーターとしては、「場」と共鳴するような展覧会構成を追求していきたい。2018年に京都精華大学ギャラリーフロールで「書物の感覚」をキュレーション。
主な展覧会に「一個月的故事會」(LVDB BOOKS、大阪、2025)、「無聲誦讀」(The Terminal Kyoto、京都、2024)、「Remembrance/Forgetfulness」(香老舗松栄堂-薫習館、京都、2022)、主なグループ展に「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2024」(京都新聞ビル地下1階、京都、2024)、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」(旧枯木又分校、新潟、2022、2018)など。
1980年大阪府生まれ(広瀬)、1982年兵庫県生まれ(永谷)。デュッセルドルフを拠点に活動。両者ともに2014年ブレーメン芸術大学美術学部マイスターシューラー課程修了。
こどもたちの発した質問は、現代の文脈におけるアートと日常の境界を曖昧にし、遊び心は批判的な視点へと変化する。そして「自分はいったい何者なのか」という本質的な問いへと導く。(広瀬菜々&永谷 一馬)
主な展覧会に「Out of the Ordinary」(ウルム芸術財団、ドイツ、2019年)、「Resonances of DiStances」(クンストフェライン・レバークーゼン、ドイツ、2021年)、主なグループ展に「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」(新潟、2018年)、「停滞フィールド 2020→2021」(TOKAS本郷、東京、2021年)、「Au 79Scheiße & Gold, boa-basedonart」(デュッセルドルフ、ドイツ、2023年)、「Doppelpass,Ausstellung-shalle Am Hawerkamp」(ミュンスター、ドイツ、2024年)など。
1990年に中国海南で生まれ、現在は武漢を拠点に活動。
雲永業は常に超現実主義の境界を探求することを表現手法として用い、可能な限り細部をリアルに表現することに努めています。その結果、人々の思考は遮られ、それら本来完璧な形式を解構するように駆り立てられ、この超現実主義的な環境の中で想像を広げ続けます。
主な展覧会に「Autumnal Spring」(Espace Structure Primaire、France、2022年)、「In the Pool of Day」(HdM GALLERY、北京、2024年)、主なグループ展に「Sushi: A World in a Grain of Sand」(Tokyo Gallery、東京、2021年)、「Midsummer Eve」(O2 Art、北京、2023年)、「Era of Encore」(Times Art Museum、北京、2024年)、「Jianwei, Zhizhu。」(Hong Art Museum、蘇州、2025年)など。
1980年、大阪府生まれ、在住。成安造形短期大学造形芸術科専攻科卒業。
平面、立体作品を並行して制作。視点を変えることで、イメージが持つ意味や認識が変化することをテーマに作品を制作。近年はアトリエの壁に無造作に貼り付けたドローイングや立体作品のマケットなど、恣意的なモチーフをメタ視点で再構成した絵画作品を制作している。画面からは目の前に広がる状況やこの世界の有り様を冷静かつシニカルに見つめる作家自身の眼差しを感じさせる。
主な展覧会に「ぐるぐるとフック」(TEZUKAYAMA GALLERY、大阪、2021年)、「くちびるがお好みの味すんねん」(TEZUKAYAMA GALLERY、大阪、2022年)、「PONCHAN des CHANPONほんの小さな出来事に」( 京都場 KYOTOba、京都、2024年)、主なグループ展に「METAMETA ”アルター”市場 vol.04 」(BnA Alter Museum、京都、2023年)、「昨日はどんなARTを観ていましたか?」(心斎橋PARCO館内7カ所、大阪、2023年)、「Chimeric Sculpture Expression」(AKI GALLERY、台湾、2024年)など。
1992年、高知県生まれ、京都府在住。音楽家、美術家、DJ。2022年、京都市立芸術大学大学院美術研究科メディア・アート専攻博士後期課程修了。
これまでに国内外の様々なレーベルより複数の名義で膨大な数の音源をリリースしている。また、インターネット上の様々な情報とそれに隣する身体の関係、その記憶や伝達の速度にまつわる諸技術について光や声を用いて作品制作・研究を行なっている。
主な展覧会に「Sucker」(The 5thFloor、東京、2023年)、「Osaka Directory 7 Supported by RICHARD MILLE 小松千倫」(大阪中之島美術館、大阪、2024年)、「ビッグウェーブカミング」(VOU/棒、京都、2025年)、主なグループ展に「惑星ザムザ」(牛込神楽坂、東京、2022年)、「Study:大阪関西国際芸術祭2023」(船場エクセルビル、大阪、2023年)、「コレクション展2:電気-音」(金沢21世紀美術館、石川、2023年) など。