「わたしたち(あらゆる生きもの)は同じ一つの生であり続けている」(エマヌエーレ · コッチャ)
この衝撃的なフレーズは、『植物の生の哲学』で知られるイタリア人哲学者エマヌエーレ・コッチャの言葉だ。人類の活動が地球全体へ深刻な影響を及ぼす「人新世」において、私たちはいかに人間中心主義を乗り越えられるのか。非人間存在を思いやり、地球環境に配慮するとはいかなることか。
「メタモルフォーゼ」(métamorphosés, 変身/変態)が可能にするのは「共感」だ。あらゆる生は「メタモルフォーゼ」でつながれる。すべての私たちは異種混淆であり、過去・未来と地球上全体に拡がっている。「メタモルフォーゼ」はそれゆえ遍在であり不死である。
「伝統と革新」を象徴する野心的空間・瑞雲庵において、世代・表現領域の異なる6人の日仏アーティストが、アートをつうじてエコロジーを問う。
主催:art-sensibilisation
助成:公益財団法人 西枝財団「瑞雲庵における若手創造者支援事業」
協力:情報科学芸術大学院大学[IAMAS]
展覧会、展示作品等に関するお問い合わせはこちら:mimi.okb@gmail.com
各種情報、Web サイトはこちら:https://artsensibilisation.com
2024年4月27日 14:00-18:00 アーティストトーク・オープニングレセプション(一部作家在廊)
1984年生まれ。情報科学芸術大学院大学准教授。
芸術博士(Doctorat en Esthétique, Science et Technologie des Arts、パリ第8大学)、専門は美学· 芸術学。共感論・新しいエコロジーの美学を研究。2017年よりキュレータとして医療とエコロジーの領域における芸術的感化を模索する展覧会を多数企画。主著は « Exposition de soi à lʼépoque mobile/liquide » (2017)。
1945年生まれ。メディアアーティスト、キュレータ、パリ第8大学名誉教授。
1980年代より、CD-ROMを使用したインタラクティブ・インスタレーションを通じて、鑑賞者と場の変容の問題に着目。主催に、«La Relation comme forme : Lʼinteractivité en art, nouvelle édition augmentée» (2004)、«LʼÉcran comme mobile» (2016)。
1987年生まれ。ナント=サン・ナゼール高等美術学校修了(修士)。
ミクロ・マクロの観点を行き来しながら、人間中心主義的なエコロジーを批判し、日常を見つめる詩的な視点を提唱する。その表現は絵画、彫刻、映像など多様な形態をとる。PARIS ARTISTES 入選(2015)、Art Award In the CUBE 2023入選(2023)や500m美術館賞グランプリ賞(2023)、 第27回岡本太郎現代美術賞入選(2024)。
1971年生まれ。情報科学芸術大学院大学教授。
電子回路を素材とした「デバイス・アート」の代表作に《ビットマン》(1998)、《PLX》(2000)、《ニコダマ》(2010) などがある。2010年《10番目の感傷(点・線・面)》で第14回文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞。以後、光と影による内的な体験を促すインスタレーションを制作。ソロ活動の他、パーフェクトロンとしての活動では『デザインあ展』(2018)の展示構成など を手がける。
1990年生まれ。早稲田大学大学院電気・情報生命専攻修了。
金魚、漆、言語など自然と人為の境界に着目し、科学・テクノロジーの視点からそれらの性質、構造、歴史に迫る。第23回文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞(2021)、WIRED CREATIVE HACK AWARDグランプリ(2019)、第25回岡本太郎現代芸術賞入選(2022)。個展に「コトバノキカイ」(TOKAS hongo、東京)。
1987年生まれ。ナント=サン・ナゼール高等美術学校修了(修士)。
ナント市賞受賞(2018)。「ブドウの時代」(AXENÉO7、カナダ、2019)、「ドリーム・ジャングル」(Hotel Amiral、宿泊室全体をインスタレーション、ナント)、「KAKI Kukeko」(FRAC、カルクフー)、「手のひら泥棒」(WISH LESS gallery、東京)など。洗練された独特な水彩画のテクニックと色彩による表現を追究。
1983年生まれ。広島市立大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。
第6回shiseido art egg賞受賞(2012)。International Studio & Curatorial Program参加 (2022、ニューヨーク、ポーラ美術振興財団助成)。個展に「デイリーモニュメ ント」(2023、国際芸術センター青森)、「純真遺跡~愛のラビリン ス~」(2019、兵庫県立美術館) など。消しゴムでイメージを消して、でた消しカスを練り上げて彫像するという独特のアプローチを追究。