同時期開催
【Gallery PARC】
2016年11月19日 (土) - 12月4日 (日)
Open 火曜〜日曜|11:00~19:00 (金曜のみ20:00まで開場)
展覧会公式 Facebook
https://www.facebook.com/oceancurrents2016/
オンライン書簡
http://rrssforkyoto2016.tumblr.com/
美術家・山本聖子の企画による、「Ocean Currents = 海流」をテーマとした展覧会を、京都市北区の町屋・瑞雲庵とGallery PARCの2会場で同時期開催いたします。本展は、山本が美術家として活動する中で出会った国内外の作家たちが、異なる国々(メキシコ・韓国・日本)から京都に集まり、各々の視点から現在の日本を見つめ、同時代を生きるものとして何を思うのかを探る試みです。彼らが1年間続けてきたオンライン書簡(http://rrssforkyoto2016.tumblr.com)は、様々な文脈からの「今の日本」のイメージをうっすらと浮かび上がらせ、世界が多層的であることを物語っています。
ロベルト・デ・ラ・トーレはメキシコの実験的パフォーマンスグループ“19concreto”の一員として活動した後、個人でも身体とそれを取り巻く社会との関係性を軸に多様な作品を発表してきました。ポリティカルともとれるテーマを扱い、強い怒りを含みながらも、人々をその先へと解放するような独自のユーモアを含む、鮮やかであっけらかんとした姿勢には、メキシコの歴史や文化の影響がみてとれるようです。
韓国に生まれ、現在はオランダを拠点とするソン・サンヒは、自身が韓国人や女性であることを強く意識してきました。しかし「制作は世界を思いやること」だと明言する彼女の目線は、常に内側からだけではなく、度々日本に訪れてプロジェクトを行うなど、外側からの視線を取り込むことも意識されています。これは自らの目で世界に起きている事実をどちらか一方に偏ることなく、深く確かめようとするソン自身の覚悟のようにも思われます。
現在長野県を拠点にする岩熊力也は、長年、絵画を描く傍ら東京で遺跡の発掘にも携わってきました。日々黙々と地を掘る作業は、高層ビルのそびえ立つ都市とは全く別種の時間体験となって彼の創作に影響を与えています。作品にはしばしば日本古来の神話や歴史的事件・出来事といったモチーフが層のように重ねられ「日本人とは何か」という問いに目を向け続ける作家の想いを見てとることができます。
各国を移動し精力的に活動する彼らは、共通して、個人のルーツだけでなく、彼らが背景として抱えている、国や社会、歴史といった大きな流れに対して、自覚的・批評的な視線を向け続けていると言えます。本展は、人々を運んで来た「何か大きな力」について考えさせるともに、私たち自身が乗っている「海流」とはどのようなものか、そしてその向かう先について、ともに想像する時間を与えてくれることでしょう。
<Ocean Currents>
地球をめぐる海流がぶつかる場所を 潮境 という。
そこは様々な生物のあつまる良好な漁場となり、
肉眼で見ても、泡や、海藻、木片などが集積していたり、
線対称にさざ波が立っていたり、
色がちがったりと
とても不思議な風景だそうだ。
私たち人間ひとりひとりの後ろにも、
個人の想像をはるかに超えた
無数の時間や出来事、野望や尊厳が流れていて
しかしその巨大なエネルギーの出会う場は、
必ずしも今この瞬間に、好都合とは限らない。
ただ潮境が、方々からの海流の溜まり場として
栄養をたっぷりと含みそこにあるように、
ここに流れ着いた彼らの起こす風景がきっと
―「我々がどこからきて、どこへ向かうのか」
という、この普遍的な問いをじんわり思考させると期待する。
山本聖子(本展キュレーション)
主催|「Ocean Currents」展実行委員会
企画|山本聖子
助成|公益財団法人西枝財団、公益財団法人野村財団
協力|NPO ANEWAL Gallery、Gallery PARC、公益財団法人京都市景観・まちづくりセンター
コーディネート|武本彩子(Gallery PARC)、NPO ANEWAL Gallery
デザイン|正木裕介(Gallery PARC)
オンライン書簡翻訳|下門史幸、Peter Matatics、岡田理絵
お問合せ|本展実行委員会
E-mail:oceancurrents2016@gmail.com
TEL&FAX:075-231-0706(Gallery PARC)
※特に記載がないプログラムは無料、予約不要、会場は瑞雲庵となります。
※スケジュールや内容は変更する場合があります。最新情報は本展公式Facebookでご確認ください。