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本展では、日本初紹介となるチェコの作家4名1組と、チェコへの留学・滞在経験のある日本人作家2名を紹介します。チェコと日本の作家をつなぐキーワードとして、「Recollect、Gaze、Material in Common」をタイトルに掲げています。
「再収集/想起・記憶」の2つの意味を持つ「Recollect」は、廃材の断片を寄木細工のように繋ぎ合わせて一枚の板に再構築するピーター・ファボ、捨てられた衣服や日用品を軽やかな筆致で絵画化し、存在の痕跡や記憶を見つめ直すエヴァ・チェルベナ、古い図鑑から文字を切り抜いたコラージュ作品や写真のリトグラフ転写によって、言語やイメージと記憶の関係を考察する大坪晶の3名に共通する態度と言えます。
「Gaze(眼差し)」は、自己と他者の関係を見つめるものとして立ち現われます。本展では、アレクサンドラ・ヴァイド/ヒネック・アルトの代表作である「15年間お互いを撮り続けるポートレート写真」のスライド上映を行ないます。また、ラディスラヴ・ヴォンドラークは、父親と生身で向き合うパフォーマンスの映像作品を通して、父親との関係性、さらには旧世代や歴史の重みと向き合うことの意義や困難を考えさせます。
「Material in Common(素材の共通性)」は、東洋絵画の技法からインスピレーションを受けた抽象絵画を制作するパトリック・ハブル、チェコで長い伝統を持つガラスを素材に彫刻を制作する大成哲に顕著です。また、ピーター・ファボと大坪晶の作品は、それぞれ日本の寄木細工とチェコのコンクリート・ポエトリーとの繋がりを思わせます。
ともに古都である京都とプラハは、歴史を継承しつつ新しい文化を創り上げていく柔軟性において共通しています。築百年を越える古民家・瑞雲庵の空間に、先端的な価値観を提示する現代美術作品を展示することで、歴史と同時代性、日本とチェコの対話を試みます。京都もプラハも世界のアートの中心地ではないからこそ、「周縁」同士の対話によって共通性や相違を見出し、相互の文化理解につなげたいと考えています。
主催|チェコ・日本現代美術国際交流展実行委員会
助成|公益財団法人 西枝財団、公益財団法人 朝日新聞文化財団、プラハ工業美術大学
協力|チェコセンター
お問合せ先|
E-mail:czechjapan2015@gmail.com
※特に記載がないプログラムは無料、予約不要、会場は瑞雲庵となります。
※スケジュールや内容は変更する場合があります。最新情報は本展公式ウェブサイトでご確認ください。