助成展覧会 2018秋

空白より感得する / From blanks to Sensitivity
2018年 10月13日 (土) - 11月11日 (日)|火・水・木 休
13:00 - 19:00
入場無料
公式サイト http://mhrs.jp/blanks/
展覧会概要:
本展覧会は、空気や水、そしてテクノロジーも自然の一部と捉えられる現代において、自然環境を捉え直す芸術的な試みである。企画の軸として、ブーメランに始まる物理学研究の傍ら、80年代初頭からテクノロジーを通じて自然現象を鋭敏に捉える先駆的な活動を行ってきたフェリックス・ヘスの20年ぶりの日本招聘を行い、その思想に共鳴する世代を超えた作家達による場を結実させる。
アーティスト|フェリックス・ヘス、斉田 一樹+三原 聡一郎、大城 真、鈴木 昭男、宮北 裕美
主催|みはらぼ
企画|三原聡一郎
助成|公益財団法人 西枝財団 公益財団法人 テルモ生命科学芸術財団、オランダ王国大使館、
アーツサポート関西「日本電通メディアアート支援寄金」
京都芸術センター制作支援事業
お問合せ|
E-mail:blanks2018.info@gmail.com
URL : http://mhrs.jp/blanks/
関連プログラム



瑞雲庵:オープニングイベント
10月13日 (土) 16:00~18:30 無料・事前申込不要
・パフォーマンス「水」(出演=鈴木昭男、宮北裕美、大城真)
・レセプション
・参加アーティストによる展覧会ギャラリートーク(モデレータ:四方幸子)
サウンドアートの第一人者としてヘスと共に時代をつくってきた鈴木と、1978年生で音を生み出す仕組みづくりに取り組む大城とが、世代をつなぐべく共演。加えて、自然環境にあって忘れてはならない身体の意識をダンサーの宮北が込める。テーマ:水。
このオープニングイベントパフォーマンスに関連し大城が制作した新作「waves」を展示。
他、パフォーマンス後に3人により用いられたオブジェクトも会場内にアーカイブ展示予定。



関連イベント出演者
10月14日(日) 石塚千晃 アーティスト、Bioclubディレクター
10月21日(日) 谷竜一 集団:歩行訓練 / 京都芸術センター アートコーディネーター
渡辺美帆子 演劇作家、二十二会
10月28日(日) 金子智太郎 美学・聴覚文化論研究者
11月 9日(金) 山川冬樹 現代美術家 、ホーメイ歌手
日程調整中 大田高充 アーティスト
小林椋 アーティスト
砂山太一 建築・美術家、京都市立芸術大学美術学部芸術学研究室
松井茂 詩人、IAMAS准教授
*調整中の日程および各回の開始時間は、はウェブサイト(http://mhrs.jp/blanks/)等にて後日発表します。
キュレーション
三原 聡一郎 Soichiro Mihara
アーティスト。世界に対して開かれたシステムを芸術として提示しており、音、泡、放射線、虹、微生物、苔、電子、気流、土などの物質や現象の、芸術への読みかえを試みている。2011年より、テクノロジーと社会の関係性を考察するために空白をテーマにしたプロジェクトを国内外で展開中。滞在制作として北極圏から熱帯雨林、軍事境界からバイオアートラボまで、芸術の中心から極限環境に至るまで、これまでに計8カ国10箇所を渡ってきた。
アーティスト

It's in the air (vanes)
フェリックス・ヘス / Felix Hess
1941年、オランダ・デンハーグ生。1968-92年にかけて、物理学、流体力学、魚の運動、金属中の転移など多くの研究に携わる。ブーメラン研究で滞在したオーストラリアにて蛙の鳴き声に興味を持ち、以降、世界の蛙の鳴き声を録音しはじめる。1982年、電子技術を用いたインタラクティブな作品制作を開始。以後、国内外で多くのインスタレーションを 発表しテクノロジーアートの分野で高い評価を受ける。 日本との繋がりも深く、1989年に栃木県立美術館「音のある美術展」での初来日以来、1998年まで日本でも多数発表。 "It's in the air (vanes)”(写真)は、和紙のついたヤジロベエのオブジェクトを床に数百個設置し、鑑賞者が動いたときの微かな空気の振舞いを可視化するという、シンプルかつ繊細で美しい作品である。本企画により関西初展示である。

moids 2.* ‒ acoustic emergence structure 2008- [参考図版]
斉田 一樹 + 三原 聡一郎 / Kazuki Saita + Soichiro Mihara
2005年より、むぎばやしひろこ他と共に大垣市にてモイズプロジェクト開始。創発をテーマに、今ここでしか生成できない響きを追求した、テクノロジーによるもう一つの自然環境を追究している。同名で発表されてきた過去2作のインスタレーションでは、音響の入出力機能を有する電子デバイスが一群としてか空間にちりばめられ、環境音、そしてデバイス群自体の発する音響の連鎖反応が、非常に複雑な解像度を持った音響環境が自律的に生成される。本展覧会では、全てのハードウェアをアップデートした ver. ∞ をプロジェクト最終版として発表する。
| 三原聡一郎 |
世界に対して開かれたシステムを芸術として提示しており、音、泡、放射線、虹、微生物、苔、電子、気流、土などの物質や現象の、芸術への読みかえを試みている。2011年より、テクノロジーと社会の関係性を考察するために空白をテーマにしたプロジェクトを国内外で展開中。滞在制作として北極圏から熱帯雨林、軍事境界からバイオアートラボまで、芸術の中心から極限環境に至るまで、これまでに計8カ国10箇所を渡ってきた。
| 斉田一樹 |
電子楽器製作者、プログラマー。匿名組織木下研究所客員所長。東北大学工学部電子工学科、情報科学芸術大学院大学スタジオ2修了。在学中より、三原聡一郎らとmoidsをはじめる。現在はエンジニアとして楽器製作会社に勤務する傍ら、「ブレッドボードバンド」、「車輪の再発明」などの自作電子楽器製作・演奏ユニットとしても活動。シンセサイザーや電子工作についての書籍の監訳も行なっている。

mono-poly,2017 [参考図版]
大城 真 / Makoto Oshiro
1978年沖縄県生まれ。東京在住。音を出すために自作した道具や手を加えた既製品を使ってライブパフォーマンスを行なう。また平行して音/物体の振動と光の干渉に焦点をあてたインスタレーション作品を制作。近年は川口貴大、矢代諭史とのユニット「夏の大△」としても活動。主なイベント、展覧会に「夏の大△」(梅香堂/大阪, 2010)、「Mono-beat cinema」(インターコミュニケーションセンター/東京,2010)、「Multipletap」(Café OTO/ロンドン,2014)、「Festival Bo:m」(Seoul Art Space Mullae/ソウル,2014)、「Strings」(space dike/東京, 2014)、「現実のたてる音」(ARTZONE/京都,2015)等。CD/DVDも多数リリースしており、最新作『Live at Ftarri』を2016年に発売。
パフォーマンス (10月13日)

©Brain What
鈴木 昭男 / Akio Suzuki
1941年平壌生まれ。京丹後市在住。サウンド・アートの先駆者的存在として知られ、日本を代表するサウンド・アーティストのひとり。63年、名古屋駅中央線ホームの階段で行われた「階段に物を投げる」のパフォーマンスで音の世界に目覚め、70年にエコー音器「ANALAPOS」を創作。78年、パリ、フェスティヴァル・ドートンヌにて海外初のパフォーマンス。88年、子午線上の京都府網野町で「日向ぼっこの空間」を発表し一日自然の音に耳を澄ます。96年に開始した街のエコ-ポイントを探る「点音(おとだて)」プロジェクトは、これまでに30都市以上で開催。ドクメンタ8(カッセル)、ドナウエッシンゲン現代音楽祭(ドイツ)、大英博物館(ロンドン)、ザツキン美術館(パリ)、AV・フェスティバル(イギリス)など、過去数十年に渡り世界各地の美術展や音楽祭に招待されている。2018年は、KUNST MUSEUM BONN、熊野古道なかへち美術館で新作を発表。

©Atsushi Koyama
宮北 裕美 / Hiromi Miyakita
兵庫県伊丹市出身 京丹後市在住。イリノイ大学芸術学部ダンス科卒業。「動かないダンス」と「モノそのものの動き」を追い続けてゆくうちに、即興パフォーマンスや視覚芸術の可能性を探り始める。2011年より鈴木昭男と共にサイトスペシフィック・パフォーマンスを続け、岡山県立美術館(2015)、城崎国際アートセンター(2016)、ImagoDeiフェスティバル(オーストリア、2017)、などで上演。近年、ダンサーとして活動してきた固有の時間感覚や空間感覚を美術表現へと持ち込み《Permanent Red》(2015、MediaShop、京都)《point A ⇄ point B》(2016、ozasahayashi_project、京都)などのインスタレーションを発表。ART CAMP TANGOにアーティスト、キュレーターとして参加。