拝啓 紫陽花の候、ご清祥のこととお慶び申し上げます。日頃より格別のご高配を賜り、ありがとうございます。 

さて、公益財団法人西枝財団が実施しております「瑞雲庵における若手創造者支援事業」にご応募いただき、誠にあり がとうございました。去る6月2日(日)に選考委員会を開催いたしました。厳正なる選考の結果、下記の2事業の採択 をいたしましたことを下記の通り、ご報告いたします。本年は、秀逸な事業のご応募を沢山いただき、選ぶのに最後まで 悩みました。尚、選考の内容につい て個別のお問い合わせにはお答えできかねますのでご承知おきください。 今後とも公益財団法人 西枝財団の活動にご理解ご支援賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 

【2019年7月2日追記】

来期の予算の拡大により、上記のお知らせの後に、一事業を追加で採択いたしました。

選考委員会ですでに発表している下記の2事業と最後まで採択を悩み、次点としていた島林秀行「黒い光」を採択いたしましたことをお知らせいたします。

2020年度 採択事業

芦田彩葵『林智子ーつながりと関係性のコスモロジー』

 

アーティスト:林智子

【選考理由】

人と人とのコミュニケーションや親密性によって生まれる普遍的な感情をテーマに身体性を介在させて作品を 発表してきた林智子の個展。上賀茂周辺の花々や、深泥池の自然をモティーフに取り入れたり、近隣の京都府立植物園との 協働などアートと自然の共生に加え、時間の流れや森羅万象をテーマに瑞雲庵だけ完結しない広い世界観を提示した企画に 評価が高かった。会期中、企画意図や世界観を深めるためのイベント立案など企画者の伝えたいという想いも非常に好感が 持てた。また、予算立てが細部までしっかりしており、獲得できる範囲内での立案も実現性の高さを確信するものであった。

黒田大スケ『本のキリヌキ』

 

アーティスト:石黒健一、クリス・パウエル、黒田大スケ、入江早耶、前田春日美、中谷ミチコ、吉野俊太郎

【選考理由】

東アジアの彫刻概念の伝搬と拡大について、1930年代の東京美術学校彫刻科の留学生に関するリサーチと作品制作に取り組んできた企画者が、モニュメンタリズムに裏打ちされた前世代的な彫刻観の解体と情報の氾濫する現代社会に おける新しい彫刻表現の可能性を探る意欲的な企画であったことと、細やかに配慮された予算立てが決め手であった。 美術家としての活動と並行しながら持続的にキュレーション活動を行う黒田氏のこれからに期待したい。

島林秀行『黒い光』

 

アーティスト:山田周平、金光男、神馬啓佑、小池一馬

【選考理由】

​黒色の持つフィクション性をテーマにした展覧会。アーティストの取り合わせの妙と展示スペースとして瑞雲庵の特性を思考し提示されたプランは非常に惹きつけられるものがあった。実施にあたっての予算収支書がいまひとつ説得力に欠けるものであったため次点となったが、企画自体は実施されれば話題になるだろうと期待をもたせてくれる内容であった。企画された島林氏は企業に務めるかたわら、精力的に展覧会キュレーションなどの活動をされており、その手腕に期待したい。

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